「ガラスの仮面」ぬりえを日本画で塗ってみた
大人のぬりえ ガラスの仮面
美内 すずえ
白泉社 2016-12-31
by
G-Tools
ガラスの仮面ぬりえ塗ってみようと思う。
考えた結果、わたしはやはり日本画で塗るしかあるまい。と思ったのである。
日本画。日本画でぬりえ・・・・・。
これは日本画で「ガラスの仮面」のぬりえを塗る、挑戦の記録である・・・・。
2月3日
【はじめに 日本画とは】
日本画とは、どのようなものか。
簡単にいうと
絵の具
が
粉
です。
岩絵の具
と呼ばれる鉱石などを砕いて細かくした粉を、
膠(にかわ)
という動物のコラーゲンで溶いて定着させます。
なぜこの画材を好んで使うようになったかと言うと、その画材ゆえの独特の質感によるものが大きいと思う。
その性質ゆえに絵の具ごとに扱いが違い難しい部分もあるのだけれど、
細かい粒子で絵を作るため下の色が透けるので、塗り重ねた風合いがとても奥深いものになります。そう、うまくやれば・・・。
【水張り】
とりあえず、水彩でも日本画でも、水を使って塗るときは
水張り
をすると紙が波打たず綺麗に塗れます。
本来は水張りテープというのを貼るか、四辺を折ってやまとのりを塗るのですが、 水張りテープが手元になく、四辺を折れるちょうど良いサイズのパネルもなかったため、 家にあるさまざまなグッズを活用して代用してみました。
ヤマトのりを塗ったテープを自作してみたり、マスキングテープ等を何重にも貼ったりして、 いろいろ試行錯誤したのですが、あっさり取れてしまうことが判明。
これがのちの致命傷になる予感がしないでもないが、
めんどくさいのでそのまま決行
することに。
水張りテープは大事である!!!
というか、日本画は本来
和紙
に描くものであります。
今まで和紙と絹以外のものに描いたことなかったので、普通に印刷されてる紙でも絵の具がのるのかわからず
検索する
。
すると、
ドーサ
を引けば大丈夫と言っている人がいました。さすが検索。ありがとう先人。
ドーサとは、先ほど説明した絵の具を定着させる膠にさらにミョウバンを混ぜると滲み止めになる。というものです。
科学的な仕組みはよくわからないのですが、前にプラスチックの容器にドーサを入れて放置しておいたら乾いて薄い透明な膜が張っていたので、おそらく絵にもそのような膜が張るのであろうと思っている。
その膜が貼ることによって粉状の絵の具が定着して動かなくすることができる。という仕組みだと思います。うん。多分ね。
和紙にぬりえの線を写して描くことも考えたのですが、だんだんぬりえから遠ざかっていく感じがしたので、
ここはそのまま、ぬりえの紙を使うことにしました。
【下塗り】
下塗りは
水干絵の具
という安価で定着しやすいものを使用します。
岩絵の具をのせればほとんど消えてしまうのですが、岩絵の具がのりやすくなるし、うまくやれば絵に深みが出る効果もあります。
私は海綿に絵の具をつけてぽんぽんと適当にのせる技法が好きなので、適当に絵の具をのせて風合いを出します。
そして、さっそく
薔薇の線が消える。
落ち着け!落ち着け私!まだよくよく見れば、線はわかるはず!!
【下塗り2】
墨で黒い部分も塗っておきます。
目の処理が心配だったけど、とりあえず塗ってみたらそれっぽくなった!!
と同時に、今まで少女漫画なんか自分で描いてみようと思ったことすらなかったのに、今、自分は少女漫画の絵を塗っているのだということがにわかに現実となり、
自分、なにやってんだ。
という意識が芽生えはじめます。
【下塗り3】
とりあえず消えそうなバラを白で描きおこしておこうと思って、塗ったのだけれど・・・。
あぁ。もう余計にわからなくなった・・・・。
というか、これからまだ背景を塗る作業があり、がんがん塗り足してゆく予定だったのだが・・・・。
やはり自分でデッサンして描いた絵と、漫画のぬりえでは、思った以上に勝手が違うことを知りました。
自分で描いた絵は自分でどの線がどういう線なのかわかっているし、やはり自分の手のクセみたいなのもあるのかな。
それとも、紙の質がいつもと違うせいなのかな。
いつもの絵を描くときの感覚そのままに塗ればいいと思っていたのですが、筆の置き方や細かい処理など違和感がつきまといます。
塗りにくい。なんか塗りにくいのだ。
しかも、
見れば見るほどガラスの仮面!!!
なにこの状況!!
【次回、背景を塗る】
完全によくわからなくなったので、全体的に粗めの白を混ぜた絵の具を薄く塗って終了。
しばらく寝かせて考えます。
2月7日
【背景を塗る前に】
背景を塗る前に、やっぱり消えた薔薇を描き起こすことにします。
ここで墨が滲んでしまうことが判明し、さらにドーサ引きしました。紙の波打ちが激しくて不安。
しかし、墨で描き込んだら大変わかりやすくなった!
勢いで右にあった「キラリーン☆」の処理をなくしました。まぁ、良い。
【背景を塗る前に2】
さらに背景を塗る色をイメージしにくいため、薔薇と背景にもっと濃い色を入れます。
【そして、背景】
ここで、細かい岩絵の具で背景を塗ります。
よしきたおいきた、それ、ご覧の通り。(台詞)
あれだけ濃い色が消えてしまいました。
日本画はこのように、描いて消す作業を繰り返すことにより、絵に深みが出ます。
しかし、その塩梅がわからないぜ〜?
次、どうするんだっけ?と若干の手さぐり感を感じつつしばらく寝かせます。
2月8日
【岩絵の具をのせていく】
さて、ここからガンガン岩絵の具をのせていきます。
【岩絵の具をのせていく2】
だいぶ塗り重ねてきました。
今回は、あまり奇抜な色ではなく、平凡な色で塗って美人画みたいな雰囲気にしたいなと思っていたのですが、
あんまり面白味がないなー。と思ってきています。
背景を暗くしたり。薔薇の処理がなかなかうまくいかず、いろいろ細かくいじっています。
【・・・・唇!】
薔薇の赤があまったので唇にのせてみたんですが!いかん!唇難しい!やばい!
たらこ唇をギリギリ阻止できたのかどうか微妙なところです。思わぬところに鬼門を発見。
次回、髪と服を濃く塗ります。また全体のイメージが変わるのではないかと。
あれ。セーラーの襟、塗り忘れてるじゃん。
2月9日
【正直、こんなつもりではなかった】
ここまで描いてきてなんだけれど、
正直、こんなつもりではなかった。
と思っています。困った。
明確な方向性がない
とこういうことになりますな。はっはっは。
今更どうしようもできないので、とりあえず試行錯誤します。とりあえず濃い色を入れます。
髪の毛は黒髪で一本一本書き込みます。
日本美人の命である黒髪を生かすため、あえてイラスト的なハイライトは入れません。
【画竜点睛とはいかない】
上手な人は瞳は最後にとっておくのでしょうが、そうはいきません。失敗するからな。
ということで、瞳も塗ります。前回は墨で軽くぬりましたが、今回はほぼ消えかかってるので描き起こしです。
生まれてこのかた少女漫画的な瞳を描いたことのないわたしにとってやはり一番の未知の世界。
しかも「ガラスの仮面」のあの瞳である。睫毛ながっ!黒目と下睫毛のこの空間はなんなんだ!!!(大パニック)
劇画
を描いているのか私は!みたいな気になりますが、あながち間違いではないかもしれない。
・・・そして
日ペンの美子ちゃん
に見えなくもない。
これで終わりではありません。まだ試行錯誤します。
【胡粉が大事という話】
日本画は
胡粉(ごふん)
という牡蠣を粉にした白い色があります。
胡粉は作るのがめんどくさいし、塗るにしても非常に白くなるため扱いが難しい。なかなかクセのある絵の具なのです。
しかし、日本画に胡粉はかかせないのです。肝になる絵の具です。
いままで作ってなかったんかい!というツッコミが入るような段取りですが、この段階になって登場。
明るくなる部分を入れたり、暗くなる部分を塗ったりして微調整。
背景の上の方に薄く胡粉を入れたら、ちょっと絵が立ってきました。
かわりに左下に水滴を落として絵の具が取れました。はい、致命的です。
2月14日
【仕上げに向かう】
仕上げに向かって、さらに色をのせます。明るい部分と暗い部分も入れていきます。
何度か描き起こしたり塗り重ねたりしていると、マヤの表情がキリッとしてきた気がします。
【なんかうまくいかない】
本当は薔薇の色は紫にしたかったのですが、どうも沈みがちなので赤くしてみました。
うーん。でもなんか、どうにも花の処理がうまくいかない。いまさらですが、
多分、手順が違う。
【岩絵の具をのせていく2】で花に赤をのせていますが、あそこで胡粉だったな!!今更どうしようもねぇ!
マヤが持ってるガラスの仮面も胡粉をかけすぎて陶器の仮面になりかけてきました。
こうなってくると絵をいじりすぎてる感じがするので潮時です。
2月15日
【完成】
日本画で黒髪白肌の和風美人な感じにしたかったんですが、手間の割に普通な仕上がりになりました・・・・。
薔薇ももうちょっとうまく塗れる気でいたんだけどなー。
下塗りのときのが面白い表現もあったな。あれはあれでどうやってまとめればいいのかわからないけど。
なんか普通に塗るだけじゃ面白くないんだな。というのが雑感です。
肌は肌色とか、ぬりえだから線の中を塗るんだとか、そういう固定観念を捨てて遊んだほうが面白いものができそうです。
あと、塗り方でマヤの表情が微妙に変わる気がしたのは面白かった。
今までぬりえと言えば色鉛筆みたいなイメージあったけど、筆で塗るというのは自分で描いている感覚もあって面白いものでした。
ちなみに水張りに関しては、やまとのりがちゃんと役割をこなしてくれていたことが判明。
マスキングテープはやまとのりを塗った部分が濡れて剥がれやすくなるのを防止するのに役に立ちましたが、紙を押さえる役割まではできませんでした。 今後に生かしましょう。
・・・・でも、もう日本画でぬりえはやらない。手間がかかりすぎる。
【おまけ】
その後、パソコンで加工。ぬお!これいいじゃん!!
結局、パソコンじゃん!!!今までの手間がボタンひとつでこれかい・・・・!
〜終〜
ねごと
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