手さぐり金継ぎ記


ずっと気になっていた金継ぎ
とっても素敵なコップを割ってしまったことから、チャレンジすることにしました・・・・。
陶器は壊れものではあるが・・・・割らないに限るよ・・・・。

とは言え、一度は試してみたい昔の人の知識と技術。


藤井漆工芸 金継ぎ「美」セット

こちらを使ってやってみることに。
どうせなら本漆を使わないと意味がない!!
かぶれが心配ではあるので、注意が必要ではありますが・・・・。


【接着(麦漆)】

まずは、割れた部分を接着する作業。
漆を米と混ぜる方法と、小麦粉で混ぜる方法があるらしい。え、そんな食べ物使うの・・・!?
炊いた米がなかったのと、ネットでは小麦粉の情報が圧倒的に多かったので、小麦粉を使用。
水で柔らかくした小麦粉と漆を1:1で混ぜるらしい。ふむ。
全部、目分量でやってしまった。これが吉とでるか凶とでるか。

そもそも、金継ぎというものがおおよその完成形しか知らないので、すべての工程があっているのか全然、わからない。
最初にyoutubeとか見ておけばよかったのだが、時間かかるなー。と思った結果、入っていた説明書と、検索で出て来た記事を読んで、見切り発車。

漆のかぶれが怖くて、最初は汚れてもいいようにレインコートを着てやってたのだが、漆がレインコートの袖について、逆に危険なことになってしまった。
慌てて脱いで、ビニールの袋で即席アームカバーを作る。(服だと汚れたらどうしたらいいかわからない)

最初の工程は、とりあえず麦漆で割れた部分を接着させることらしい。
接着させてみたのはいいが、ムニっと出た漆はどうするの?と思ったら、ヘラでとっておくと書いてある。(※そのまま乾かして、あとで削るという方法もあるらしい)
そんななか、漆の性質をまったくわからないにゃんこは安易な気持ちでうっかりティッシュで拭いてしまい、全体が漆で汚れてしまった。
めちゃくちゃ焦って、汚れをとるには・・・・と考えた末、水で濡らした激落ち君、召喚。その効果はすごかった。汚れが取れた。
どうやら洋食器(磁器)で表面がつるつるしているので、取れやすいらしい。
あとから知ったのだが、これが釉薬の塗っていない和食器だったらかなり大変だったらしい。
(※一応、漆汚れはテレピンで取れるとのこと。ただ、釉薬が塗ってあり表面がつるつるしている素材であれば、激落ち君で取れました!)

この時点でどれだけ綺麗な状態にしとけばいいかわからない。
ある程度、汚れるのは仕方なくないか?
マスキングテープで固定させるのだが、マスキングテープにもそこそこ漆がついちゃってるんだけど、これは別にいいんだよな?
いろいろよくわからないけど、とりあえず継ぎ合わせ、固定し、余分な汚れを取るところまでできた。

あとは湿度のあるところで放置が理想らしい。
本来は「漆風呂」というものを作るらしいのだが、風呂場で長期間、寝かせることにした。
風呂場に置いている間に、また落としたりしないか心配である。

漆かぶれがとにかく怖いので、手袋は使い捨て。作業中の画像撮影は無理。
使った皿とヘラは洗剤で洗った。あれ?テレピンはいつ使うのだ???
(※漆で汚れた部分を落とすことができるらしい。ただし、接着面に着くとはがれやすくなってしまうので注意。)
キットに同梱されていたテレピンの蓋が固くて空かなかったので、ま、いいや。ってなって、結局、今回は使わなかった。
(道具の汚れを落とすのにも使ったほうが良かったのでは?拭きとって、石鹸で洗っちゃったけど、どうなんだろ。)


【風呂場で放置】

漆風呂を使えばある程度の日数で良いらしいけど、特に急いでいるわけではないので、1ヶ月くらいすれば確実にくっつくだろうというノリで放置。
この期間でようやく金継ぎをやっている動画を見るようになり、なるほど。なるほど。となる。(遅)
基本、全ての工程において丁寧さが大事となるようである。(苦手分野)

そして、一ヶ月後・・・・・
乾いた状態がこちらである。まぁ、よくもこんなに割れたな。
金継ぎ 金継ぎ 金継ぎ

現時点の感想としては、激落ち君で周りをできるだけ綺麗にしておいたのが非常に良かった。
簡易的な金継ぎだと、ここから線を描き、金をのせるだけでいいと書いてあるが、ところどころに隙間がある部分もあるので、隙間を埋める錆漆の作業もしてみることにする。
細かいところをなんとかしようとすると、場合によっては陶器の方を削ったりだとか、どんどん工程が増えるらしい。


【錆漆】

まずはくっついた麦漆のはみ出た部分をカッターで削り落とす作業から。
これはくっつけた時に激落ち君でかなり掃除してしまったので、あまり大変ではなかった。
なんか乾いた漆を削るの、面白い。
そして、やっぱりくっつけたときの段差ができちゃってるところがある。
コップの内側は作業が大変そうだなぁ。

そして、隙間を埋める錆漆を作る作業に。
こちらは、砥の粉+水+漆で作るらしい。相変わらず目分量でやってしまうが、たぶん水が多すぎて、砥の粉を足したり、漆を足したり。たぶんダメです。
キットを開けた時、砥の粉???これなに???何に使うの?????と思っていたが、このキットにはちゃんと必要なものが全部入っていて、非常に良い。

百均で細いヘラを購入し、それで隙間を埋める作業を開始。けっこう面白い。
そして、意外と隙間が多いことが判明。結局、作った錆漆がギリギリ足りないくらいだった。
何度か工程を経る場合もあるようなので、今回はとりあえずおおまかに埋めておいて、一旦乾かし、次回、最終的にしっかり埋めることにする。

現時点の不明点としては・・・・
・段差がある部分を、どのように埋めるかが、感覚的にわかりにくい
・現時点で、接合部分周辺をどれくらい綺麗にしておくべきなのかがわからない

漆を使っていると、接合部分以外の部分がどうしても汚れてしまうのだが、それをいつ綺麗にすべきなのかがわからない。
乾いてからでも間に合うものなのか。できるだけ綺麗にしておくべきというのは、どれくらいの程度のものなのか。
漆が乾く前に綺麗にできればベストなのだろうけれど、今回、ちょっとテレピンを使って掃除をしてみたら、接合部分まで垂れてしまい、ギャー!錆漆がとれる―!ってなってしまった。
埋めた錆漆がとれてしまったら意味がない。けど、そのキワまでギリギリ攻めて掃除するべきなのか???
漆汚れを気にして、線の位置にあわせてマスキング貼ったりしている人もいるみたいなんだが、それって必要かなぁ。←釉薬がかかってない器だと大事っぽい
というか、錆漆はもっと盛っておいて、あとから削るものなのかなぁ。そのあたりのさじ加減がいまいちわかりません。

麦漆で接着していたころは、なんだこれ。めんどいことをはじめてしまった・・・・と、思っていたが、削り作業→錆漆の修復作業は意外と楽しかった。
慣れたら、もうちょっと気軽にやれるようになるかしら。
とりあえず乾かすためにまた放置ということになるのだが、今回は特に漆風呂ではなく、室内放置で良いらしい。
つい、ちゃんと埋まってるかな?乾いているかな?と触ってしまい、漆が手についてしまうという事件発生。
漆が手についたら油で取るらしい。油をぶっかけました。今のところはなんとかかぶれずにすんでます。


【錆研ぎ】

3日ほど室内で放置したものの錆漆の乾きが悪かったので、風呂に放り込み放置。
念のため2週間ほど放置してみた。

その次は研ぎの作業。
錆漆で埋めたところを滑らかにするらしい。
キットに入っていた紙やすりに水をつけてこすったところ、汚れもとれ、漆で埋めた部分がシャープに出てきた。
というか、隙間が大きいところが意外とあるな。
ちょっと欠けてくぼんでるところとかも浮き出てきて面白い。

漆は乾くとへこむらしいので、もっともりもり盛って研ぎで落としても良い気がした。
そして、磁器だと汚れはキレイに取れることがわかった。錆漆を塗る段階ではあまり神経質に綺麗にすることもないのかな。

というか、漆は固まる前はかぶれて、乾いたら大丈夫になると書いてあるのだが、この作業も手袋でやったほうがいいのだろうか?
そして、段差ができちゃったところの最終形態がよくわかりません。指で触ってひっかかる感じはダメ??


【錆付け 2回目】

いろいろ謎を残しつつ、やはり隙間が大きい箇所がまだへこんでいるので、そこに重点的に錆漆を塗り重ねてみた。
というか、だいぶ油断していて砥の粉と漆の配分を間違えた感じがする。(再)
目分量の比率でやるとなんか動画とかで見る粘りと違うものになるから、粘りのイメージに合わせようとあれこれ足してわけわからん感じになります。

前回の作業をかえりみて、今回はもりもりヒビの周辺まで錆漆を塗ってみた。研ぎでなんとかしてみよう。
だんだん、いろんな作業が雑になってきている。これもまた、学び。
ちなみに、今までの経験により、ビニールの自作アームカーバーはけっこう蒸れてつらいので、いらん長袖の服が最適という結論となりました。
そして、またしばらく放置です。


【錆研ぎ 2回目】

もりもり盛った錆漆は乾きが遅く、やはり風呂に放り込んで1週間は放置。
固まったところで、それを研いでいく作業にうつる。
うん。やっぱり、必要のないところは綺麗にしておくに限る。
1回目と比較しても研ぎの作業に時間がかかりました。
やはり洋食器の磁器であれば紙やすりで綺麗に取れるので、汚れ事態を気にする必要はない。
ただ、作業の手間として必要じゃない部分は取っておくほうが楽。といったところ。
作業自体は割と面白いのだが、量が多いと根気がいる・・・・。
(あと、この作業、研ぎに夢中になりすぎて、ころっと落として割りそうにならないか心配)

とは言え、盛り気味にしておいたのは良かったと思う。
きちんと隙間は埋まりました。だが、境目がわからねぇ。
基本的には欠けてるとこに埋めるものなので、表面の釉薬のかかっている場所には必要ない。
紙やすりでその不必要な部分を落としていく作業になるのだが、どこがそのラインかよくわからない。
前回は量が足りないくらいだったので、境目もわかりやすく、すぐ仕上がった感がでたのだが、今回は完全に埋まっているところからラインを掘り出すような作業となる。
どうなんだ。この漆の下には釉薬の地が残っているのか???(わからん)

そして、前回疑問だった段差のとこ。
ここは、理論上は、釉薬のかかっている表面まで使って緩やかな坂道を作るのではなく、段差となる側面のみを錆漆で補填し、そこを滑らかに仕上げる。という方法が正しいらしい。
どこまでだ。どこまで研げばいいのだ。そのうち結局、錆漆が取れるところまで研いでしまうのではないか??

まぁ、そんな手さぐり状態だったので、最終的に研ぎすぎた箇所もできてしまった。
ここは欠けてないやろ!と攻めたところがやっぱ欠けてた・・・・的な部分。
触るとへこんでるのがわかる。

とは言え、段差部分は進展あり!!!
前回までは触るとひっかかる感じだったのが、触った感じが滑らかになり、段差はあれど引っかかる感じがなくなりました!!!これは感動!
全体的に触った感じが滑らかになり、非常に気持ちが良いものになりました。

研ぎが充分なのかはすこし疑問な部分がありますが、へこんだ部分はだいたい埋めれた感があります。
これ以上のクオリティは求めないので、次の工程にうつることに。
こっからの難易度があがりそうなので、一旦、休憩。

金継ぎ金継ぎ
雑に塗られた錆漆→でもこんな綺麗になりました
縁の欠けた部分などがちゃんと埋めれたのがポイント

【本塗り】

さて、あとは線を描いて金をのせるだけなんだけど、ここでも様々な工程を経る方法があるらしい。
このあたりは調べると本当にいろいろと出てきて、よくわからない。
そもそも、本格的なやつだと漆自体もなにやら違う漆を使うらしい。
しかし、私の買ったキットでは、キットに入っていたチューブの本漆1本をそのまま使ったやり方が書いてあるので、まぁそれでいいだろうと判断。

そして、どうやら金をのせるまえに一度線を塗って乾かす作業を経る場合があるらしい。
主な理由としては錆漆の保護的な感じ、残っている微妙はへこみの補正、金継ぎ箇所をぷっくりさせたい場合の処理・・・・みたいなところらしい。場合によっては数回塗ることもあるっぽい。
まぁ、練習もあるので、一度くらいこの「塗り」というやつをやってみるか。と試してみることに。
理想としては、錆漆のところにうっすく漆が乗った状態にするのが良いらしい。

しかし、これ。錆漆で埋めたところは線が太いので塗ることができるのだが、逆にぴったりとくっついたところは線が細すぎて、筆で書くと普通にはみ出すのだが、どうしたらいいんだろう。
あぁ。せっかくシャープに出ていた線が、私の筆書きによって、いびつに・・・・あぁ・・・・。

あと、漆は茶色の半透明の液体なんですが、茶色の漆の上に塗るので、どこを塗ったのかわからなくなります。
そのために顔彩を足して色のある漆を使ったりするらしいのだが、私はやりません。勘に任せます。

そして、使い終わった筆は、テレピンで落としたあと、油をつけておくらしい。次に使う時は油をテレピンで落としてから使う。と。ふむ。
しかし、漆が手についたときは油で落とすらしい。なんで筆と手で対処法が違うんだろ。
というか、油とテレピンの役割の意味がいまいちよくわからないんだよなー。


【研ぎ】

さて。塗りを終え、風呂場で放置し、乾いたら・・・・ここもまた、一応、紙やすりで研ぐらしい。

とは言え、塗ったところが取れてしまったら意味がないので、ごく軽く・・・・ということらしいが、よくわかりません。
やはり、一番の問題は線の細いところ。はみ出した部分は、やすりをかけると取れやすく、微妙にとれてギザギザな線になってしまった。結局、ギザギザをなくすために念入りに研いだので、そこのところは全部はがれたかもしれない。
そもそも、全体的な作業を通して、釉薬のかかった部分は漆がけっこう簡単にとれる。ということがわかった。
すなわち、線を描くときにはみ出して描いた箇所ってのは、それで完成させると使っているうちに剥げるのではないかという懸念・・・・どうなんだろう・・・・。いやでも、こんな細い線描けんぞよ・・・・・。

確かに、この作業を経たことで、前回、錆漆を研ぎすぎてしまった箇所は修正できました。
ちなみに厚く塗りすぎた場合は縮れるらしい。一箇所だけできてた。研いで誤魔化しました。


【金撒き】

さぁ、いよいよ仕上げです。
あとは漆で線を描き、ちょっと乾いたところに、金泥をのせるだけ!!!

しかし、この「ちょっと乾いた」がよくわからない。
キットに入っていた説明だと夏場20分、冬場1時間と書いてあり、ものすごく幅がある。
折しも季節は秋・・・・うん、30分にしてみよう!!!(わからん)

このすこし乾いた漆の上に、金泥を綿ではたく・・・・みたいな感じらしい。
動画を見ると、その部分だけ綺麗に乗っているので、そういうもんかと気軽な気持ちだった。
しかし、やはりそうはいかなかった・・・・。

いざ金撒きをはじめてみる。
説明書には周囲のくっつかなかった金泥は戻せるので大切にしよう的なことが書いてあるが、実際にやってみると、え?そんな風にならんくね!?無理じゃね!??みたいな感じ。
線の描いた周りにも貼りつく金。綿で漆が動いてしまっているのか!?綿の動かし方が悪かったんか!?!?
正しいのかよくわからないので、ついつい触りすぎて綿でこすってしまい、線の描いたところまで取れてきてしまう。やばい。これはあかんやつだ。

途中で慌てて作業を中断し、乾かすことにした。
でも、取れちゃったところもあった。

ちなみに金継ぎセットに入っていたのは、純金泥4号 0.2グラム
さすがに全部はなくならなかったものの、これで金がうまくつかなかったら大打撃。
インターネットで金泥の追加は買えるのかと検索をしたら5千円くらいする代物で、このキット代の8割分じゃねーか!と気づいた。
そう考えれば、お買い得のセットではあるな。これ。

金の貴重さを実感しながら、とりあえず、1週間ほど風呂場にイン。

金継ぎ
触りすぎて下の漆が見えはじめてます。
これ以上、こするとやばい。周りに張り付いた金を見捨てる勇気・・・・!


【金撒き 補修】

とりあえず1週間ほど乾かしてから、まずはお掃除・・・・。
え。怖い・・・。こすったら取れるのでは・・・・!?

とりあえず、激落ち君で周辺の金泥汚れを落とし、金継ぎ部分はあまり触らないようにする。
この時点ではがれた金泥はサラサラしていて再利用も可能そうな感じだった。

そして、漆の茶色い部分が見えてしまっている部分に、金撒き再チャレンジ。
今度はちゃんと1時間待ってみた。
そしたら、ちゃんと漆の部分だけ金が乗った!!!
印象として、前回はやはりタイミングが早かった気がする。 そして、綿を横に拭いてしまう感じだったのがいけない。縦にはたく感じが良さそう。

2度目は、あまり無駄に金を使うこともなくできた。
これで乾かします。ちゃんとくっついたら完成ですけども!!!(ドキドキ)


【完成しました】

金継ぎ 金継ぎ 金継ぎ

ドキドキしながら、洗剤でコップを軽く洗ってみましたが、金、落ちなかった!良かった!
洗った時に意外だったのは、金継ぎ部分がざらざらしていて、素焼きのような感触だったこと。
普通に触った感じではそこまでの印象がなかった(むしろつるっとした手触りにできた印象だった)けど、洗う時はその部分だけざらっとした異質な感じ。あまりゴシゴシはしないほうが良さそう。

もうちょっとお高めの粒子の粗い金を使う場合、漆でコーティングしたり、磨いたりして、耐久性や発色を良くする作業が入るのだとか。
どうせならやりたかったけど、金泥は粒子が細かいので、そこまではしないみたい。
その分、摩耗しやすいらしいので、扱いはそこそこ注意した方が良さそうです。

あとは、内側の部分に手が届きにくいので、ちょっと線の縁がギザギザしちゃってるままなんだけど、これはもうどうしようもないかな。使ってくうちに取れてくんかね。
とりあえず、今後は割らないように使っていきたいです。


【金継ぎをやってみた全体の感想】

作業時間はそれほど多くないんだけど、とにかく乾かす時間が多いのと、やる気になるタイミングもろもろ含めて、3ヶ月かかりました。

お金も時間もかかるので、確実に、買ったほうが早い。コスパが合わない。
しかし、このコップを割ったとき、ショックでしばらく立ち直れなくて、金継ぎ作業に取り掛かるのにも数ヶ月放置していた経緯があるので、金継ぎをする過程で、そうした気持ちも一緒に継いだ気がする。気持ち的にもやってよかったです。割れないのが一番いいけどね。

意外にも、錆付けで、割れの継ぎ目を滑らかにする作業が一番面白かった。
あれは感動するね。割れた事実は覆らないけど、あんなに滑らかになるかね。という。
なんかただ割れたものをくっつけて修復するというイメージだったのですが、この作業はそこに技術を吹き込んで転生させるみたいな感覚がありました。
そこで出たラインがとても綺麗だったので、逆に最後の金撒きの時の線描きで見劣りしてしまった印象すらある。これは自分の技術の問題ですな。

私は日本画で膠(にかわ)を使うんだけど、漆もめちゃ似た感覚だなぁ。と思いました。
性質は全然違うんだけど、昔の人が使って来たものを継承して使うというところ。
そして、素人にとっては、その扱いがけっこうあやふやというところ。
また日常で使わない古来の知識が増えて楽しかったです。
かぶれなくてよかった。

最終的に思ったことは、やはり割らないに限るということです。
だが、陶器は割れるものなので、技術として習得できたのは良かった。戦闘力に直結しないマイナースキルのレベルがあがった気分です。




ねごと

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