にゃんこと(みょん)子の熊野古道記




2日前にうっかり決定。熊野に行ってきました。

出発日の1月14日は大雨
やっぱり災害娘M子とオレの力か!?

道は細かい雨がザーザー降っていて景色もなにも見えず・・・大丈夫か。先行き不安ながらもM子の車でどんどん進む・・・。
和歌山の那智の滝まで行けるのか!?どうなんだ!? ってか、この雨では雨なのか飛沫なのかわからないのでは!?ってか、雨でけぶったこの状態では滝の頂上まで見えないのでは!?
と言うほどの天候だったのだが、高速を抜け、下道をひたすら突き進むにつれ、雨は降りつつも空は明るくなっていく。

目的地までは、高速降りた後が長いのだが、途中で道の駅「紀伊長島マンボウ」でお昼ご飯に“旬の取れたて丼”を食べ、コンビニで買ったお菓子をつまみながら、ローカル色あふれる看板につっこみつつ、くねくね山道をひたすら越える。

出発から5時間半後に那智の滝についたころには、雨もやんで、雲間から青空がのぞくしまつ。ばんざい!

しかし、那智の滝すげぇ。昔の人が「神を見た」と言っただけあるぜ。壮大すぎ。
ここまで来たかいがあった(T_T)とひたすら感動。
那智の滝 しかも雨やんだ!神はいた!

滝の飛沫を存分に浴びたあと、どうしようねと話していたら、また雨がぱらつきはじめたため、 滝とセットで有名な三重の塔や肝心の那智大社は拝まずに引き返す・・・。
引き返す途中、「占い処」と書かれた暖簾がぶら下がっている家があった・・・。気になる・・・。
いたるところに那智黒飴の看板があってこれも気になっていたら、お土産屋さんに那智黒飴ソフトクリームがあったので、食べた。
黒飴を食べたことがないのでなんとも言えない(致命的)のだが、濃すぎず、くどくもなく、まろやかでクセのない味でおいしかった。

その後、けっこう時間があることが判明したので、川湯温泉まで足を伸ばすことに。
川湯温泉とは、川原を掘れば湯が出てくるというまさに秘湯。
そこに、冬季限定で「仙人風呂」という無料の風呂が(川原にて)開放されるらしい。どんな風呂だ。
とりあえず行くだけ行ってみることに。

もののけとりあえず行くだけ行くといっても、これまたすごい道のり。
くねくねとした道。山々はあきらかに東山魁夷の世界。(右写真)
いや。魁夷の絵でもありえないくらい雲のなかを車でつっこむオレら・・・さすが秘湯。
奥深すぎるぜ。山。もしや、これは「もののけ姫」!?
あそこにたゆたっている白いものは、雲か、温泉のけむりか!?はたまた、タタラの煙か!?

結局、カーナビの努力もむなしく、迷う。(致命的)

しかし、なんとかたどりつき、「川湯温泉」なる文字発見!
川原に軒並み並ぶ温泉街っぽい旅館を横に・・・・
おぉ!もしや、あれは・・・・仙人風呂・・・・ってか、川!?!?

ガイドブックを見ても、「無料」「タオル・石鹸などの貸し出し一切なし」という情報しかない・・・。
いやいや。石鹸貸し出しなしってゆーか、川だな。ここ。石鹸は排水扱いだな。むしろ。 ってか、混浴なのか!?もしや混浴なのか!?つーか、どうやって入るの!?全裸!?!?全裸なのか!?!?ってか、タオルないよ!?!?どーすんの!?!? (大混乱)
M子「家から2枚だけタオル持ってきた!」
猫「え!?それ使う!?!?とりあえず行くだけ行ってみる!?!?」
「とりあえず」と言う言葉をなんども発しながら、とりあえず、仙人風呂前まで移動。
温泉ごときでこんなにハラハラしたのは初めてです。
しかし、そちら方向に向かう人はちらほらあり・・・・。

そして、仙人風呂。あたりは真っ暗でしたが、あきらかに川だった・・・。
思いっきり川の中に、石で囲まれた温泉が突如として現れ、そこに橋がかかっていて、 行きたい人はそこの橋を通って、風呂に行くようだ。
一応、女のみ、更衣室あり。(更衣室と言っても、軽くついたてで仕切られてるだけ。たぶん。)
風呂に関しては温泉街のある道側に更衣室と同じようなついたてがしてある感じ。まぁ気持ち程度に。
見ようと思えば見えるさ!だって、川だもん!!!

結局、幸か不幸か、その日はさんざん降った雨により、川が増水していて入ることができませんでした。
仙人風呂

あぶなかったぜ。あの勢いでは、暗闇にまぎれて全裸になってしまうところだった・・・。(本当かよ)
しかし、あのダイナミックさにはまいります。
なんか、混浴以前に、もう風呂だもん、川だもん、暗いし、どうせみんな見えるんだし、どうでもいいじゃん。 みたいな、そんな勢いになりかけてました。
まぁ。実際の人々が風呂に入る風景を見ていないから言えるわけですが。実際はどんな感じなんでしょー・・・。
しかし、いつかは攻略法を勉強した上で、リベンジしたいです。(笑)

まぁ、仙人風呂はダメでも、ここは温泉街。その辺に温泉などあるわ!
ということで、露天風呂入りたいねー。どっかにないかなー。と話していたら、M子がぽそっと・・・「月でないかなー」とのたまう。
「川が増水するほどの雨が降った上に、雲の中を突き進んできたんだよ!!何を言うんだ!!!」と反論するそばで、なんと月が雲間から顔を出す。
やべー。露天風呂のある温泉、探そう。マジで。

というわけで、川湯温泉から近い渡瀬温泉に行き着く。
露天風呂が4つもあった・・・すごい・・・。

まったりとお湯につかっていると、とうとう、雲の間からくっきりとした月が顔を出す。しかも満月。
すげー。オレらすげー。と言いながら、今日一日を振り返り、

「なせばなる」
(※適当にやっていても物事がうまく流れる。の意)

ということを再確認しました。(間違った結論)


温泉でまったりした後は、ひたすら熊野に戻る。
熊野に近づいた頃に、ご飯を食べる場所がないことに気づき、適当なラーメン屋でご飯を食べてから宿へ。
宿は、ビジネスホテルにも関わらず、有名な人たち(らしい)のサインが飾ってあった。
M子と、オレはそれを見て、(ホテル、ここしかないのかなぁ。)と思っていた。
近くにジャスコやツタヤがある、それなりに都会な場所です。

なにより、夜勤らしいおっちゃんがやたら世話をやいて、クドイほどに丁寧なのにウケた。
つい、宿のアンケートの
「接客はどうでしたか!? よい・ふつう・わるい その他( )」
という設問に「その他( おもしろい )」と書いてきてしまった。

宿は安かったが、畳の部屋ですごいまったりできてよかった。
宿で寝転んでガイドブックをみながら、ようやく「熊野古道」の意味(どこにあって、どういう意図で作られ、どこからどこまで続いているのか)を、なんとなく知る。
そうか・・・那智大社は拝むべきだったか。(遅)

就寝。



次の日(15日)。朝、6時起床。というか起こされる。
熊野は(方向音痴の私たちが考えに考えた末)東側に海があるので、海から昇る朝日が見えるはず。
ちょうど、宿の近くに獅子岩という、本当に獅子のように見える岩があったのだ!
そこから朝日を見よう!ということで、M子にひきずられるようにして、海に連れてかれる。

宿のテレビの写りがよくなくて、日の出の時間がわからず適当に海に出たのは6時半ごろ。
グッドタイミング。ちょうど空が白み始めている良い時間だった。

獅子岩が見える場所に行くと、一眼レフをかまえた夫婦と、同じ年くらいの少年たち数人がいた。
夫婦は地元の人らしく、今日の日の出はかなり良いということを教えてくれた。さすがオレら。
天気は前日の雨とはうってかわって、雲ひとつない快晴。
カモメが飛び、海からのぼる朝日を見た。
獅子岩左にあるのが獅子岩。ガオーって言ってます。
※注意:影絵遊びでイヌを作っているわけではありません。

眠さも吹き飛んで、テンション、めちゃあがりました。
タイミングといい、この天気といい、すべてが用意周到のようだ。(※全部、適当。)
おかげで、ここでやたら写真を撮りまくってしまった・・・。

海と、朝日と、獅子を堪能した後、宿に戻って朝食をとり、部屋に戻って、しばしダラダラ。
にゃんこは休日のこのような時間におきていたことは皆無に等しいのだが、おかげで「マジレンジャー」「カメンライダー響鬼」「ふたりはプリキュア」を見ることができた。

一番おもしろかったのが、「カメンライダー響鬼(ひびき)」
なんと!!!細川茂樹じゃん!!!!(むむぅ。これが母親狙い。なわけね。)
CGの敵相手に、音叉で変身したり、太鼓のバチで戦ったりなんて言う子供だましは序の口で、問題は、ストーリーの濃さ。
「私たちはなぜ存在しているのか!?」と問いかけ、無常にも答えは与えられないまま倒される敵(?)。
細川茂樹(響鬼)が寒そうにベンチに腰掛けながら言う名ゼリフ。「鬼になるには、迷いがあってはいけない」
道を迷う若手カメンライダー(?)が選んだ「他にやってみたいことがある」とは、なんと絵本の朗読!
・・・・なんか、その1回を見ただけでも、かなり意味深でした。いろんな意味で。(笑)

熊野の話から逸れてますが。
※しかもよくわからず半寝で見てるのでストーリーが正しいのか定かではありません。


さぁ、顔をあらって、外に出よう!今日はまず鬼が城に行くのだ。ん?鬼!?やっぱり、鬼なのか!?
というわけで、昔、海賊がいたという伝説が残る神秘的な場所、鬼が城にむかう。

・・・・鬼が城、すごかった。
どれくらいすごいかというと、沖縄で見た斎場御獄(せーふぁーうたき)のもっとすごい版って感じです。(たとえがわかりにくい)
崖のような岩のような、なんかすごい場所に道があり、下にはどどーんと波が・・・。
台風のときに手すりが波に流され、雨により落石の恐れがあるという恐ろしい場所。
おかげで千畳敷と呼ばれる広い場所あたりまでしか行けなかった・・・。
うえーん。先に見える険しくて細い岩の道を超えたかった(T_T)

しかし、千畳敷も充分すごくて、波でけずられた感じで、ぼこぼこ。
そんな場所で、屋台を広げお土産を売っているおばちゃんがいて、そこにはホワイトボードに「よく聞かれる質問」が書かれてあった。
たとえば
Q.岩は落ちて来ないんですか!?
A.今まではありません。これからは知りません。

という感じのさくさくとした質問集。
おばちゃん、散々質問されてうざかったんだね(T_T)
ホワイトボードの最後には「そんなことは気にせず、お土産でも買ってって〜」みたいなことが書いてあった・・・。

鬼が城は見晴らし台もある。とのこと。
きっと、海賊がそっから海を見て敵の襲来を確かめたんだ!ということで、のぼることに。
見晴らし台のぼり口に、前日のガイドブックによる予習で噂に聞いていた木の杖発見!
杖代わりになる木の棒が置いてあるのだ!これぞ熊野古道!

杖をつきながら、見晴らし台まで登る・・・登る・・・登る・・・・・(ぜいぜい)
最初は杖は遊び感覚で手に取ったのだが、やがて必需品ということが判明。
この見晴らし台は桜が植わっていたので、春に来たら綺麗だろうなー。と思いつつ、 今は冬なので葉っぱすらなく、シダ植物の生い茂る階段をひたすら登る。
・・・登っている人たちはオレらしかいない。

ぜいぜいなりつつも見晴らし台に到着。
おぉー!海賊だか、鬼だか、ここに別荘建てた歴史上の人物だかは、ここから海を見下ろしたのかー。
七里御浜も見渡せる。うおー。海岸線が続いてるぜー。空が青いぜー。
ってか、絶対、ここ、春の桜の季節に来たら最高(T_T)
この道は松本峠まで繋がっているようだったが、体力の限界により断念して下山。(杖は元の場所に返却。)

鬼が城にあったお土産屋さんに、「熊野古道」のポスターが貼ってあって、いい感じだったので、今度はそこに行こうということに。
その名も波田須の道。鬼が城からはそう遠くないものの、ややナビに翻弄されつつ、たどり着く。

先ほどの鬼が城の見晴らし台で軽く懲りていたオレらは、ちょっとびくびくしながら、道を歩く。
「熊野古道」と言えば有名な苔むした岩のならぶ道。
ポスターにもなるその場所はとても雰囲気もよく、なだらかで短い道(ここ重要)で、よかった。
そして、ここで、熊野古道の醍醐味!他の人(熊野古道を歩く集団)に遭遇。
熊野古道の鉄則は、人に会ったら必ず挨拶をすることである。
というわけで、むこうはうちら二人に「こんにちは〜」と挨拶をし、オレらはそんな集団客にいちいち挨拶をしなければならなかった・・・。恐るべしルール。
・・・まぁ、でも熊野の道の醍醐味も堪能した気がする。(気分)

この道にあった案内の看板では、ここはけっこー古くから残る道だとか。
そして、「熊野古道は長すぎで険しすぎたため、昔は途中で病気になったり、遭難したりして辿り着けない人も多かった」
と、書かれてあった。
恐るべし熊野古道。しかし、気持ちはわかる気がする(T_T)
でも、石のひいてある道を遭難すると言うことは、きっと、早道をしようとしたんだ!という結論に。(違)

波田須の道が予想以上になだらかで短いことに元気づいたオレら。
その後は、ガイドブックで見た通り峠に行こう。というとこで、再び、車で山奥のほうに移動。

途中で豆腐料理を食べ、「みかんの一年中取れる町」「紀州犬のふるさと」などと書かれた町(村)に入る。
ほんとにみかんばっかりで、いたるところにみかんの木が・・・。
道端には無人の販売所(勝手にお金をはらってみかんをとっていくボックス)がめちゃめちゃたくさんあった。
豆腐だけでは小腹がすくオレらは「みかん〜!みかん〜〜!!」という状態になり、途中の物産販売所みたいなところでみかんをひとふくろ100円で購入。食いながら道を進む。(思ったら即行動)
甘くておいしかった。さすが、みかんの一年中取れる町。
(惜しむべくは、物産販売所にいた地元の人はみかんの食べすぎで手が黄色くなっているか!?というチェックをし忘れたこと。)

そして案の上、ナビ効果により迷う。うおー!成長しろ!オレら!!
と言いつつ、案内の看板に誘われてようやく通り峠登り口に着く。また杖があったので、よく選んで持つ。
そっからは、ひたすら登る。

ほんとうに苔むした岩の道で、すごかったが、なにより道が急です。
途中まで登って、ようやくこれは山を登らされている。ということに気づく。(峠ですから)
熊野古道は、場所ごとに大体どの辺まで進んだかという目安がけっこう短いスパン(だいたい一回のネタで笑ってられるくらいの間ごと※わかりずらい)で立っているので、それに元気付けられつつ登る。
ちなみに、波田須の道の長さが全体で「3」で短くなだらかだったが、通り峠は全体で「21」で急な山道。
行き帰りとあわせて倍。(※自分が21分のいくつにいるかがわかるようになっている。しかも「21」は峠までという意味だった・・・)

ここには間違いなく、「もののけ姫」で出てきたこだまがいる。
切り株を見るたびに、こだまが座ってこちらをみているような気がする・・・。
通り峠険しすぎる・・・。

この日は、とてもいい天気で、コートなど必要もなく、パーカーも脱いで汗をかきながら登る。
そして、オレら以外にこの峠を登っている人がいない。うちらはどこか間違っているのか!?

21分の21まで登った峠の真ん中が、特に達成感のない(単に登り坂がおわっただけ・・・)ものだったため、 どうせここまで来たのだから、その先の見晴らし台まで登ろうということに。(※この勢いは大事だが命取り)
・・・そっから先はさらに険しかったっす(T_T)

なんと、山のてっぺんまで連れてかれた。
千枚田そこから、見た見晴らしはすごかった。ありえないです。
千枚田と呼ばれる棚田(右)を見下ろし、遠くの霞がかった山々は見上げるのではなく、目の前に・・・。
今は冬だから田んぼにはなにもなく、青くもない(※行く季節が間違ってる)が、田んぼは間違いなく千枚ありました・・・たぶん・・・。
下界の車は自分のツメの大きさ以下です・・・。どこまで来たんだ・・・うちら。
その壮大さにどちらかというとあっけにとられ、こんなところまで来てしまった。と思った。
そして、ここまでみかんを持って来るべきだった。ここで食べたら最高だったのに。と思った。(笑)

そのあとはひたすら来た道をくだる。
途中で、派手にこけました。
無事でよかったっす(T_T)オレ!
転ばぬ先の杖(本物)を持ってしてもやりました!(泣)
そして、結局、この山で人には会うことはありませんでした。熊野古道ってなに!?(混乱)


その後は、そろそろ戻らなきゃ。ということで、みかんとお菓子を食べつつ、来たときの復習をしながら名古屋へ戻る。
熊野古道を歩いたのに、結局、熊野古道の続いている三社はひとつも拝まなかったという罠。

今回の、ローカル看板(標語)のヒット作品は「ホップ ステップ 中部」でした。飛んでませんね!頑張れ!

そして、ずっと運転してくれたM子には、ほんとうに感謝!ありがとう(T_T)

楽しかったです。 道に迷ったときは、熊野に行こう!!!



ねごと

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